「走れ！プロジェクトマネージャー！」

　プロジェクトマネージャーは、メンバーの心の動き、を考えてプロジェクトを進めているでしょうか。あるいはプロジェクト開始時に、その辺りを鑑みてプロジェクトの予定やタスクに盛り込んでいくでしょうか。
　プロジェクトメンバーに限らず、人間は感情を持つ生き物です。（当たり前ですね）ところがプロジェクトの現場では、意外とその当たり前が気にされず実施されていないでしょうか。
　僕の周りにも、少なからずそういったシステム開発プロジェクトが存在します。そういうプロジェクトのプロジェクトマネージャーは、キックオフミーティングを行わず、メンバーのスキルを確認せず、更にメンバーが遅くまで残業していても「自分もやっている」とばかりに気にも留めず。

　メンバーもバカではありませんから、だんだん嫌気がさしてきます。また、遅くまでやるのが当たり前ですから、昼間のパフォーマンスが下がり、夕方にはタバコを吸いにいく回数が増え（吸わない人も、トイレや飲み物を買いに行く回数が増えますね）、19時頃には弁当を買いに行き、だんだん1時間当たりの生産性が下がってきます。
　また、長時間労働を強いられていますから、品質も下がり、バグも増えます。もちろん、バグを減らす努力はありません。キックオフで意識合わせが行われていないのですから、そんなことをするはずがありませんし、出来る余裕もありません。
　こういうプロジェクトの行きつく先は、惰性の末に納期遅延で出来上がった、低品質のシステムです。もちろん使いにくい。あるいは、動かない部分があったりします。
　これが自動車だったらどうでしょうか。世の中には、受注生産の自動車も存在します。そういった車が、納期遅延、低品質なんてことがあるでしょうか。恐らく無いでしょう。あったら、世間で問題になっているでしょうから。
　キックオフミーティングはとても重要です。本プロジェクトの目的の共有が出来ますし、疑問もそこで解消できます。その場で解消できなくても、いつまでに解消するということで安心できますし、そういった疑問そのものも、共有されます。
　また、今回はどういう構成でいくのか、開発の方式も共有できます。メンバーにとって今回の言語に不安がある場合なども、質問は誰にするか、といったことも決めることが出来ます。
　もちろん飲み会をやるのも良いでしょう。お互いの気持ちが解れるでしょうから。ただ、飲み会はあくまでも延長戦であって、キックオフミーティングそのものが意味を持つのです。
　また、キックオフだけではなく、日々の進捗確認ミーティングも事前にルール化しておく必要があります。朝会がベスト、短時間が効果的です。ダメな進捗会議は、長時間ダラダラ行い、問題箇所対してウダウダ文句を言ってみたりすることです。顧客の文句もいけないし、メンバーへの批判もダメ。関係ないメンバーすらイヤになってしまう。疲弊の原因です。
　当たり前を書き連ねましたが、当たり前が行われていないことが多いと感じたので、ちょっと書いてみたくなりました。